この記事の結論
- 元本割れがどうしても嫌な人には、個人向け国債は選択肢になる
- 大きく増やす商品ではなく、「守るお金」の置き場所
- ただし、購入後1年間は原則として換金できない
NISAには興味がある、でも元本割れするのは怖い。できれば減らない形でお金を置いておきたい。このように感じる人も多いと思います。私自身も、すべてのお金を投資に回す考え方はしていません。
家計を守りながら資産形成を続けるには、増やすお金と守るお金を分けて考えることが大切です。その「守るお金」の置き場所として、選択肢になるのが個人向け国債です。
個人向け国債とは?
個人向け国債とは、国が個人向けに発行している債券で、ものすごく簡単に言うと、国にお金を貸して、利子を受け取る商品です。
財務省の個人向け国債のページはこちら→https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/index.html
株式や投資信託のように、毎日価格が大きく動くものではありません。そのため、元本割れが怖い人でも考えやすい商品です。

個人向け国債には、主に次の3種類があります。
- 変動10年
- 固定5年
- 固定3年
それぞれ金利の決まり方や期間は違いますが、この記事ではまず「元本割れが怖い人の守りのお金」として見ていきます。初心者の方は、まずは細かい違いまで完璧に覚えなくても大丈夫です。
個人向け国債のメリット
個人向け国債のメリットは、次の3つです。
1) 元本割れが怖い人でも持ちやすい
個人向け国債は、満期まで持てば額面金額で戻ってくる仕組みです。株式や投資信託のように、値下がりを見て不安になる場面は少ないです。
「投資の値動きが怖い」
「お金が減るのを見るのがつらい」
という人にとっては、安心感があります。
2) 1万円から買える
個人向け国債は、1万円から購入でき、まとまったお金がなくても始めやすいです。
いきなり大きな金額を動かすのが不安な人でも、少額から考えられます。
3) 銀行預金より金利を意識できる
普通預金に置いておくより、金利を意識したお金の置き方ができます。
もちろん、株式投資のように大きく増えるわけではありません。
それでも、「普通預金にずっと置いておくだけでいいのかな?」と感じている人には、知っておきたい選択肢です。
個人向け国債のデメリット
個人向け国債にも注意点があります。具体的には次のようなものです。
1年間は原則として換金できない
個人向け国債は、購入後1年間は原則として中途換金できません。
そのため、すぐに使う予定があるお金には向いていません。
急な出費に備えるお金は、普通預金に置いておく方が安心です。
インフレに弱い面がある
物価が上がると、同じ1万円でも買えるものが少なくなります。個人向け国債は元本の安全性を重視しやすい商品ですが、物価上昇に必ず勝てるわけではありません。「金額は減っていないけれど、お金の価値は下がる」ということはありえます。
たとえば、2025年平均の消費者物価指数は、総合で前年比3.2%の上昇でした。一方で、2026年4月募集の個人向け国債の利率は、税引き前でおおむね1%台です。
銀行預金より金利は意識しやすいものの、物価上昇率を下回る場面では、実質的にはインフレに負ける可能性があります。
中途換金すると、受け取れる利子が少なくなる
購入から1年経てば、個人向け国債は中途換金できます。ただし、満期まで持つ場合と比べると、受け取れる利子は少なくなります。
中途換金するときは、元本に経過利子を加えた金額から、一定の調整額が差し引かれる仕組みになっているためです。
元本が大きく減るわけではありませんが、普通預金のように「いつでも自由に引き出せる商品」とは少し違います。そのため、近いうちに使う予定があるお金は、個人向け国債ではなく普通預金に置いておく方が安心です。

元本割れが嫌なら、全部普通預金でいいんじゃないですか?

普通預金も大事です。すぐに使うお金は普通預金でいいと思います。ただ、しばらく使う予定がないお金まで全部普通預金に置くなら、個人向け国債も選択肢になります。

つまり、増やすためというより、守るためなんですね。

そうですね。大きく増やす商品ではありませんが、値動きが苦手な人にとっては、知っておいて損はない選択肢だと思います。
個人向け国債が向いている人
個人向け国債が向いているのは、次のような人です。
- 元本割れがどうしても嫌な人
- 投資信託や株式の値動きが怖い人
- 普通預金だけでは少し物足りない人
- すぐには使わないお金の置き場所を探している人
- 投資を始める前に、安全なお金の置き場所を知りたい人
特に、投資初心者の人には知っておいて損はない商品です。
まとめ
個人向け国債は、元本割れが嫌な人にとって考えやすい選択肢です。
大きく増やす商品ではありませんが、守るお金の置き場所としては使いやすい商品です。
投資というと、どうしてもNISAや株式、投資信託を思い浮かべがちです。しかし、資産形成では「増やすこと」だけでなく、「守ること」も大切です。
元本割れが怖くて投資に踏み出せない人は、まず個人向け国債のような守りの商品を知るところから始めてもよいと思います。
すぐに使うお金は普通預金、守りたいお金は個人向け国債、長期で増やしたいお金はNISAや投資信託。
このようにお金の役割を分けて考えると、無理なく資産形成を続けやすくなります。
資産形成で大事な生活防衛資金の考え方についてはこちら解説しています。
→投資を始める前に確認したい「生活防衛資金」の考え方
参考情報
消費者物価指数は総務省統計局、個人向け国債の利率は財務省の公表情報をもとにしています。
総務省統計局|消費者物価指数
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/nen/index-z.html
財務省|個人向け国債
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/index.html
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