「NISAの成長投資枠、インデックスと高配当どっちにすべき?」——これは私自身が何ヶ月も悩んだ問いです。理屈の比較記事はたくさんありますが、この記事では我が家が実際にどう配分し、いま配当がいくら入っているかまで数字で公開します。
結論:NISAの中なら、増える金額はほとんど変わらない
先に結論です。NISAの中だけで考えるなら、最終的に増える金額はほとんど変わりません。配当を再投資する前提なら、インデックスでも高配当でも、計算上はまったく同じ結果になります。
差がつくのは「インデックスか高配当か」ではなく、受け取った配当を使うか、再投資するかのほうです。ここだけで20年後に500万円以上変わります。
課税口座(NISA以外)なら、税金の支払いを後回しにできるぶんインデックスがやや有利です。ただしその差も20年で5%ほどで、言い切れるほど大きくはありません。次の章で数字を出します。
それでも我が家は、投資資産のうち配当をもらう目的の個別高配当株を約25%持ち、成長投資枠は高配当株に振っています。理屈より「続けやすさ」を優先した結果です。理由は後半で詳しく説明します。
まず数字で比較する(税金込みシミュレーション)
計算の前提はこうです。
- 1,000万円を一括で投資して20年間持ち続ける
- トータル利回りは年5%
- 高配当株はそのうち4%が配当、1%が株価の値上がり
- インデックスは配当を出さず、5%すべてが値上がり
まずNISA(税率0%)の場合
| インデックス | 高配当(配当を再投資) | 高配当(配当を使う) | |
|---|---|---|---|
| 20年後の評価額 | 2,653万円 | 2,653万円 | 1,220万円 |
| 受け取った配当の累計 | 0円 | 0円(全額再投資) | 880万円 |
| 手残りの合計 | 2,653万円 | 2,653万円 | 2,100万円 |
インデックスと高配当(再投資)が、1円単位まで同じになりました。偶然ではありません。税金がかからないので、値上がりで増えても配当で増えても、増え方はまったく同じになるからです。
つまりNISAの中で「どっちが増えるか」を悩む意味は、ほとんどありません。
差が出ているのは3列目、配当を使った場合です。使った880万円も足し合わせたうえで2,100万円。再投資した場合より553万円少なくなります。配当を使うと元本が増えないぶん、複利が働かないからです。
課税口座(税率20.315%)の場合
| インデックス | 高配当(配当を再投資) | 高配当(配当を使う) | |
|---|---|---|---|
| 20年後の評価額 | 2,653万円 | 2,271万円 | 1,220万円 |
| 受け取った配当(税引後) | 0円 | 0円(全額再投資) | 701万円 |
| 手残りの合計 | 2,317万円 | 2,209万円 | 1,877万円 |
こちらはインデックスが上回りました。配当は受け取るたびに税金が引かれるのに対し、インデックスは売るまで税金を払わずに済むからです。この「支払いの後回し」が20年ぶん積み上がります。
ただし差は108万円、20年かけて約5%です。「インデックスが有利」と言い切るほどの開きではありません。
この記事の数字は、この下のシミュレーターで実際に計算したものです。自分の金額と期間で試せます。
※うまく表示されない場合はこちらから直接起動できます
初期投資額・運用期間・利回り・配当利回り・税率を入れると、上の表と同じ計算を自分の数字でできます。NISAを想定する場合は税率を0%にしてください。
- 金額を変えても、NISA(税率0%)ならインデックスと高配当(再投資)は必ず同じ数字になります
- 税率を20.315%にすると、初めて差が生まれます
- 期間を10年→20年に伸ばすと、差の広がり方が見えます
NISAで高配当を選ぶ、本当のデメリットは「枠」
金額が同じなら、NISAで高配当を選んでも損はしないのか。ひとつだけ、はっきりした差があります。NISAの枠を余計に使うことです。
NISAには生涯で1,800万円という上限があります。インデックスの投資信託は、ファンドの中で配当を自動的に再投資してくれるので、枠を追加で使いません。ところが個別の高配当株は、配当が現金で手元に入ります。それを買い直すと、その分だけ枠を消費します。
たとえば年40万円の配当を再投資し続ければ、10年で400万円ぶんの枠が減ります。枠を使い切ったあとの再投資は課税口座に回るので、そこからは税金がかかり始めます。
つまり「増やす」目的なら、NISAではインデックスのほうが枠の効率がいい。これが、数字の表には出てこないほうの差です。
逆に「配当を受け取って使う」目的なら、この話は関係ありません。使うつもりのお金を非課税で受け取れるので、成長投資枠と高配当株の相性はむしろ良くなります。
我が家の実際の選択と配当額
配分:インデックス55%・個別株45%(うち配当目的が25%)
| 区分 | 割合 | 中身 |
|---|---|---|
| インデックス | 約55%(約3,280万円) | 投資信託(NISAつみたて投資枠)・確定拠出年金 |
| 高配当株(配当が目的) | 約25%(約1,500万円) | 日本の個別高配当株(NISA成長投資枠を活用)。金融・保険を中心に、商社・通信・食品・化学・建設・物流など約100銘柄に少額分散 |
| その他(配当が目的ではない) | 約20%(約1,190万円) | 売買目的の個別株・ETFなど。配当は出るものもあるが、値上がりを狙って持っている部分 |
「高配当株」とひとくくりにすると、利回りが実態より低く見えてしまいます。そのため配当をもらう目的で持っている分と、値上がりを狙って持っている分を分けて書いています。利回りを比べるときは、この切り分けをしないと数字がぼやけます。
実際の配当額:年間約60万円(月5万円前後・利回り約4.0%)
この配当目的の約1,500万円から、いま年間約60万円、月にならすと5万円前後の配当を受け取っています。配当利回りにすると約4.0%です。
評価額が下がっている時期でも配当は振り込まれます。相場が悪い局面で「保有し続ける理由」が目に見える形で手元に残る——これが、数字ではインデックスが有利と理解したうえで高配当を残している最大の理由です。四半期ごとに配当が入る実感は、積立を20年続けるための心理的な支えになっています。
なぜ成長投資枠を高配当に振ったのか
NISAの成長投資枠で高配当株を買うと、配当も非課税で受け取れます。「配当をもらって使う」目的なら、課税口座より圧倒的に効率的です。我が家は、つみたて投資枠=インデックスで資産の土台を作り、成長投資枠=高配当でキャッシュフローを作る、という役割分担にしました。
あなたはどっちを選ぶべきか:判断基準は2つ
- 増やすことが最優先で、下落局面でも淡々と積み立てられる自信がある → インデックスに寄せる
- 途中でやめてしまうリスクが心配、配当という「見える成果」がほしい → 高配当を一定割合混ぜる
純粋なリターンで数%の差が出ても、途中で投げ出したらその差は意味を持ちません。「20年続けられる形」を自分の性格から逆算するのが、我が家の出した答えです。
まとめ
NISAの中なら、増える金額はインデックスでも高配当でもほとんど変わりません。効いてくるのは配当を使うか、再投資するかのほうです。そのうえで投資は続けてこそなので、続けやすさをお金で買う感覚で高配当を混ぜる選択肢は、十分に合理的だと思っています。まずはシミュレーターで、あなたの条件で差を確認してみてください。
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