先週は日米そろって利上げでした。アメリカが16日、日本が18日。同じ週に両方が動くのは珍しいことです。
ところが日本では、利上げした当日に円安が進みました。金利を上げれば円高になるはずなのに、逆に動きました。ここが今回の読みどころです。
日銀が利上げ。それなのに円は157円台へ
9月18日、日銀が政策金利を0.25%引き上げて1.25%にすることを決めました。1995年以来、約31年ぶりの水準です。
ところが決定が伝わると、円が売られました。ドル円は156円台から一時157円台前半まで下落しています。

金利を上げたのに円安になるんですか?

理由は反対票。今回は2人の委員が利上げに反対したんだ。
反対したのは浅田委員と佐藤委員です。「経済の状況は必ずしも強いとは言えない」「経済・物価情勢が大きく加速している状態にはない」というのが理由でした。
市場はこれを見て次の利上げは当分ないと読みました。声明にも利上げを急ぐ文言がなかったため、円を売る動きにつながっています。
円安はその後も続いており、市場では次の節目を159円台とみる声が出ています。利上げが円高につながらなかったのが、今回のいちばん大きな点です。
もっとも植田総裁は会見で「引き続き政策金利を引き上げる」と述べ、連続利上げや大幅な利上げの可能性も「排除しない」としています。市場の読みと総裁の発言には、まだ距離があります。
アメリカは全会一致で利上げ。3年ぶり
2日前の9月16日、FRBも政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%としました。利上げは2023年以来、3年ぶりです。
こちらは12対0の全会一致。ウォーシュ議長は「インフレが高すぎる状態が長すぎた」と述べています。
| 日本 | アメリカ | |
|---|---|---|
| 決定 | 0.25%引き上げ | 0.25%引き上げ |
| 政策金利 | 1.25% | 3.75〜4.00% |
| 投票 | 2人が反対 | 12対0で全会一致 |
同じ「0.25%の利上げ」でも、中身の温度差がはっきり出ました。全会一致のアメリカに対して、日本は割れている。これが円安が進んだ理由です。
→ 円安・利上げ・物価高の関係は?家計と投資への影響をわかりやすく解説
同じ日の朝、8月の物価は鈍化していた
日銀の決定が出る数時間前、18日の朝には8月の全国消費者物価指数が公表されています。
| 8月 | 7月 | |
|---|---|---|
| 総合 | +1.9% | +1.9% |
| コア(生鮮食品を除く) | +1.7% | +1.8% |
総合は横ばい、コアはむしろ0.1ポイント縮小しました。日銀が「物価の上振れリスク」を理由に利上げした当日に、物価の伸び自体は少し鈍っていたことになります。
ただ、企業物価は7%台で高止まりしたままです。仕入れ値と店頭価格の差は開いており、これから転嫁が進む可能性は残っています。
まとめ:いま確認しておくこと3つ
先週をひとことでまとめると、
日米そろって利上げ。それでも円安は止まらず、物価も下がらない
でした。住宅ローンをお持ちの方は、すぐに返済額が上がるわけではありません。前回6月の利上げでは、返済中の人に届くまで約5か月かかりました。
→ 日銀の利上げで住宅ローンはいつ上がる?前回6月の実績から考える
そのうえで、3つだけ。
- 変動金利なら返済予定表を開く。すぐには上がりませんが、元金と利息の内訳は変わっていきます
- 預金金利は上がる。ただし物価には届かない。前回と同じ幅なら0.5%前後が目安です
- 積立はいつもどおり。利上げも円安も、毎月の積立を止める理由にはなりません


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