今週は、物価・為替・日銀と、バラバラに見える3つのニュースが並びました。ただ、行き着く先はどれも同じです。
9月に、日本の金利がもう一段上がるかもしれない。
そうなると、私たちの預金・住宅ローン・投資はどうなるのか。3つのニュースを順番に見ていきます。
東京の物価が、3か月連続で加速した
8月28日、総務省が東京都区部の8月の消費者物価指数を発表しました。全国より先に出るので、日本全体の物価を占う先行指標として見られています。
結果は、前年の同じ月と比べてプラス1.9%。伸びが3か月続けて大きくなっています。
| 月 | 前年比(総合) |
|---|---|
| 6月 | 1.6% |
| 7月 | 1.8% |
| 8月 | 1.9% |
中身を見ると、上がっているのは身近なものばかりです。
| 品目 | 前年比 |
|---|---|
| 外食 | +5.0% |
| 食料 | +3.9% |
| 家賃 | +1.9% |
| 電気代 | -2.4% |

でも1.9%って、思ったより低い気もします…。買い物ではもっと上がっている感じがするんですけど。

その感覚、間違っていないよ。実はこの数字、あるものが大きく押し下げているんだ。
なお、値上がりばかりではありません。米は前年より14.2%下がっていて、去年の高騰からは落ち着きました。それでも食料全体では4%近い上昇です。
保育所の保育料が無償化によって前年比マイナス100%となり、これ1つで全体を0.5ポイント押し下げています。もしこれがなければ、2.4%前後だった計算です。
「数字より実感のほうが厳しい」と感じるのは、気のせいではありません。
過去最大15.4兆円の介入。それでも円安は止まらない
同じ8月28日、財務省が為替介入の実績を公表しました。7月30日から8月26日までのおよそ1か月で、15兆3993億円。円を買う介入としては過去最大です。
7月31日には、アメリカと足並みをそろえた協調介入も行われました。日米が一緒に動くのは2011年以来、15年ぶりです。
ここまでやって、円相場は1ドル159〜160円台。流れそのものは変わっていません。

15兆円も使って効かないんですか…?

介入は「時間稼ぎ」と言われることが多いんだ。円安の根っこにあるのは日本とアメリカの金利差だから、そこが動かないと流れは変わりにくい。
円安が続くと、輸入する食料やエネルギーの値段が上がります。それが1つめの物価の話につながります。物価と為替は、実は同じ話の表と裏です。
日銀ナンバー2が「9月も利上げを検討」と明言
8月27日、日本銀行の氷見野副総裁がさいたま市での講演で、9月の会合でも利上げを検討すると述べました。物価が想定より上振れするリスクへの警戒もあわせて示しています。
9月17〜18日の金融政策決定会合まで、日銀の正副総裁が公の場で話す機会はこれが最後でした。市場ではこれを、利上げに向けた地ならしと受け止めています。
いまの政策金利は1.0%。次に上がれば1.25%です。
数字にすると、借入残高が3,000万円の人で、金利が0.25%上がると利息はおよそ年7万5000円増える計算です(残高に対する単純計算)。決して小さくない額です。
アメリカも、金利を下げにくい
8月28日、FRBのウォーシュ議長がジャクソンホールでの講演で、インフレが目標を上回ったままなら「やるべき仕事がある」と発言しました。利下げどころか、引き締めにも含みを持たせた形です。
日本もアメリカも金利を下げにくい。だから金利差はすぐには縮まらず、円安と物価高はもうしばらく続く前提で考えておくほうが現実的です。
まとめ:この週末にやっておきたいこと3つ
今週をひとことでまとめると、
「物価が上がっているから、金利も上げる」という流れが、いよいよ現実味を帯びた週
でした。そのうえで、やっておきたいことを3つだけ。
- 住宅ローンが変動金利の方:9月18日の日銀の結果を確認する。多くの銀行は返済額の見直しが5年ごとなので、すぐ月々が変わるとは限りませんが、利息の割合は増えます
- 預金:メガバンクの普通預金は年0.40%。今後上がる可能性はありますが、物価1.9%には届きません。置きっぱなしの現金は目減りします
- 投資:積立はいつもどおり続ける。ニュースを見て止めたり増やしたりしない



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